「人」を知る

バイヤー

※インタビューは2015年時点のものです。

バイヤーの役割は、お客様と靴を結ぶ“架け橋的な存在”

現在のお仕事について教えてください。

SPC(現・シュープラザ)金沢八景ダイエー店の店長を経て、2年前より関東営業部 商品課のバイヤーを担当しています。メンズ・レディースのスニーカーと子供靴全般のバイイングを行っています。昨年9月26日にオープンした新業態「SHOES Paletta シューズパレッタ」は、女性のライフスタイルを起点に、「毎日の暮らしを足もとから楽しく」をコンセプトに、家族やお子様向けの靴を取り扱っていますが、こちらの店舗と靴チヨダを合わせると、全部で約30ブランドを一括して担当しています。本社では、売上げのチェックや欠品、打ち合わせなども行いますが、ほぼ一日じゅう、都内の各店舗を周り歩く日もありますし、メーカーさんを周る日もあり、スケジュールはその日、その週、その月によってもさまざまです。ただ、バイイングは、現場やリアルな市場から得られる情報が要ですので、その日に得たことはその日じゅうにまとめて、パソコンに打ち込むのが日課になっています。

忙しく飛び回る日々を過ごされていますが、バイヤーのお仕事の魅力とは何でしょうか?

半年先、1年先の商品を選定して買えること、バイヤーの醍醐味はここにあると思います。先ほども申し上げたように、やはり鮮度の高い情報が要になってきますので、各店舗に足を運び、現場スタッフからヒアリングしたり、逆にこちらからトレンド傾向などについての情報を提供したりと、日々、流動的な流れの中でお仕事させていただいています。土・日は、都内近郊だけでなく、地方の店舗も周ります。SPC金沢八景ダイエー店の店長時代は、直接お客様と接する立場でしたが、現在のバイヤーは、“橋渡し的”な役割だと自負しています。商品を選んで、店舗に落とし込み、お客様に購入していただく…ちょっとカッコ良く言うと、“架け橋”のような存在だと思います。

これまでに大変だったことはありますか?

バイヤーになりたての頃は、自分が選んだ商品が本当にお客様に求められているのかどうかを図る基準のようなものがなかったので、手探り状態で、難しく感じることも多々ありました。当社は全国に1000店舗以上展開していますが、バイヤーに着任した際、そのすべてを回ったわけではないので、自分が落とし込んだ商品が、“合っているのかどうか”は、やってみなければ分からない部分もあり、その辺りの加減を掴むまでは少し大変だったかもしれません。店舗=売り場は、魚や果物を売るスーパーと同じで、新鮮さが大事です。売り場のスタッフやメーカーさんからの生きた情報を生かして商品を選び、修正が必要な場合は随時行うなどしています。実質的なバイイングと並行して、売上げや予算など、数字のコントロールも行っていますので、そのバランスを取ることも大変といえば、大変なことのひとつかもしれませんが、今はどちらかと言うと、楽しみながらやらせていただいていますね。
時流を肌で感じつつ、多くの人と接する毎日は刺激的です

チヨダに入社した動機は何だったのですか?

元々、学生の頃からファッションに興味がありました。私が通っていたのは工業高校で、ご察しの通り、男ばかりの中で青春時代を過ごしてきました。いざ就職活動となった時、ファッションには欠かせない靴というアイテムを専門に取り扱い、全国展開していた当社の存在を知りました。調べてみたら、社員の男女比のバランスも良く、「この会社で働いてみたい」と思い、迷わず志願しました。当時の就職活動では、当社を含めて2社ほどしか受けなかったのですが、幸い、採用していただき、それからあっという間の20年が過ぎ、現在に至ります。

バイヤーの仕事を通して得られたことや成長・喜びを感じることは何ですか?

店舗での業務に携わる場合は、対お客様ですが、バイヤーになると、お取引様など、外部のさまざまな方たちとの関わり合いが格段に増えます。もちろん、商品についても色んなお話が聞くことができますが、それ以外にもリアルタイムで興味深い情報がたくさん知れるので、時代の流れを掴むといいますか、結果としてバイイングにも生かせることがおのずと入ってきますので、毎日が刺激的で面白いですね。今は、インターネットがあるので、お客様の方が逆に商品などについて詳しい場合もあります。どんなことを尋ねられても、いちプロフェッショナルとして、きちんと答えられるように、自身でも日々のリサーチや情報収集には力を入れています。

メンズだけでなく、レディースのスニーカーや子供靴全般を担当されているとのことですが、バイイングにおいて、難しいと感じることはありませんか?

メンズは男性として自身の視点があるので、選びやすい側面もありますが、レディースについても、今、どういうトレンドや流れがあるのかなど、社内のバイヤーからヒアリングしたり、逆にこちらから質問を投げて、すり合わせを行うほか、展示会に足を運び、バイイングに生かしていますので、特に難しいと感じることはないですね。子供靴に関しても同じように、情報収集とリサーチを行い、現場の店舗に落としこんでいきます。ちなみに、最近、小学校3年生と1年生の娘たちとランニングを始めました。子供靴のヒントを得ることも多く、その意味でも楽しく続けられています。
創業100周年に向けて、靴を通して社会貢献していきたい

チヨダの魅力、強みとは何でしょうか?

やはり「地域密着型」の店舗を展開しているところだと思います。ファミリーが多い地域、学生が多い地域、ご高齢の方が多い地域など、当社は、それぞれのエリアの特徴に合わせた店舗を作り、取り扱う商材もそれに準じて揃えていますので、お客様が欲しい靴がよりみつかりやすいのではないかと思います。当社に身を置いて20年になりますが、社員は皆、総じて、心が広いといいますか、器が大きいといいますか、朗らかな方が多いですね。モチベーションも高く、共に仕事に携わる中で刺激を受けることも多々あります。若手の頃は、先輩からたくさん助けていただきました。先輩、後輩にかかわらず、今も仕事のあとに、飲みに行ったりしますし、あらゆる面において、“チーム力”が高い会社だと自負しています。

今後の目標や取り組んでいきたい課題があれば、教えてください。

直近の目標は、店舗数を拡大することです。私の担当は関東一円ですので、そこを広げていきたいと思っています。前述の新業態「SHOES Paletta シューズパレッタ」も多店舗展開していく方針です。あと個人的には、運動不足気味なので、体を引き締めることが目標ですね(笑)。お話してきたように、ランニングはまだ始めたばかりなので、継続できるかどうかは正直分からないのですが、一緒に走ってくれる娘たちのおかげもあり、今のところ、習慣になりつつあります。

100周年に向けての想いをお聞かせください。

当社では、下取りを行った靴の一部をサーマルリサイクル(熱回収)するなど、環境に優しい取り組みをすでに始めていますが、今後は“靴を通してできる社会貢献活動”に力を入れていきたいと考えています。ブランドにも依りますが、地球に優しいシューズを開発するなど、独自のアイデアでもって、展開していければ理想的です。靴業界においてはもちろんのこと、当社が、この社会になくてはならない存在になれるよう、100周年に向けて一歩ずつ邁進していきたいと思います。
主な1日のスケジュール
就活メッセージ
就職活動中の皆さんに私からお伝えできることは、「この会社に入りたい」と思ったら、そこに向かって全力を尽くして欲しいということです。月並みかもしれませんが、やはり念願の企業に入社できるまでは、自分を信じて、ひたすら頑張るしかないと思います。あきらめるのは簡単なことですよね?「大変だし、しんどいし、もう辞めよう」と自分で決めてしまえば、その時点で終われますから。でも、逆に、「大変だし、しんどいけれど、もう少し頑張ってみよう」とあきらめずに向かっていけば、必ず光は射してくると思います。“後悔先に立たず”と言うように、とにかく悔いのないよう、若い皆さんには、やり切って欲しいと切に願います。当社に入社される方には、向上心を持って仕事に取り組んで欲しいですね。インタビューでもお伝えした通り、チヨダの社員は、モチベーションが高い人が多く、それぞれの目標に向かって、日々努力し続けています。向上心を持つことは、人間的に成長する上でも不可欠ですし、何より、自分自身がハツラツと快活に毎日を過ごしていけると思います。近い未来、バイタリティ溢れるフレッシュな皆さんと一緒に仕事できることを楽しみにしています!